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『換気扇1個でできるエアサイクル住宅』

私は自分の設計する住宅を健康に永続的に使ってもらうためには
どうしたらいいのだろう?とあれこれ考えてつくったシステムです。

住宅の寿命は?!住宅の平均寿命は20年をきると言われています。
なぜこんなに短命なものになってしまたのでしょうか?
取壊される理由を上げてみると、
家族構成の変化、建物の老朽化、使い勝手の悪さ、設備機器の老朽化などがあげられます。
私達が見る限り現在流通している建材のほとんどはメンテランスを
していれば50年ぐらいは持ちそうな物ばかりです。
しかし現実はそうでない。最初の建物計画の未熟さにあるようです。
家を建てる前に、10年後、20年後の家族構成や建物のメンテランス計画を
立て見るも1つの方法ではないでしょうか。
専門的なことからすると建物を常に健康状態に保つこと。
設備機器のメンテランスを容易にできる構造とする。


住宅建築の問題点
エネルギーコスト削減、CO2の削減、廃棄物の削減、
化学物質の削減、など理想的な住まいとは、
建築で使われる部材1つ1つが化学物質をまったく含まず、
その製造過程でもCO2や化学物質を発生しない。
尚且つその住まいでの生活でも有害な物質が発生しない。
と言う住まいを作ろうとすると昔々の家を作るしかなくなってしまいます。

昔の家ですから現代の家とは違い、断熱性、空調設備、
蛇口をひねれば水やお湯が出るなどという快適な生活は望めないでしょう。
であれば現在の利便性を残しつつ、自然の力を利用して、
自然環境と共存していく住宅を作っていくにはどうすればいいのでしょう。

こんな問題提議か空気が家中。壁の中も流れる
エアサイクルのシステムは考えはじめました。

建物の健康のためには、床下や壁の中、小屋裏の空気を循環させます。
これで、柱や梁などに溜まった湿気を乾燥させます。
内部結露や壁からの漏水があっても空気が循環しているので早めに乾かしてくれます。
常に乾燥状態であれば、ダニやカビ発生を防げます。
ダニはアトピーの原因でもあるため、アトピーや化学物質過敏症に
なりにくい健康住宅になります。

システムの概念
『換気扇1個でできるエアサイクル住宅』_a0076877_342487.jpg

夏モード(梅雨明けから10月上旬ごろ)
夏は床下基礎部分の空気取入口を開けます。
屋根裏に温度センサーがあるので設定温度により換気扇が動きはじめ、
家の中で一番暑い屋根裏の空気を外へ排出します。
各部屋に通気口を設けて部屋の換気もします。



『換気扇1個でできるエアサイクル住宅』_a0076877_154142.jpg

冬モード(11月から3月ごろ)
冬は床下に温水のクリーンヒーターを埋め込んで暖房をします。
室内や壁内を伝って空気は循環します。
各部屋の床下に排気口をつけて部屋の中も暖房します。

空気を循環させることによって家全体の温度差がなくなる。
例えば冬の寒い日に廊下に出ると寒いと感じることもなくなる。
それから、室内の仕上げ材を自然素材で作っても内部結露などで
見えないところがカビだらけでは健康住宅とはいえない。

このエアサイクルシステムは10年前に建主さんからヒントを
もらってシステムを考えました。
既存のエアサイクルも検討しましたが、コストが高いことと自由に工務店が選べない、
という理由断念しました。
私の考えたシステムは全て市販している機器を代用していますのでものすごく安価です。
すでに、数件竣工して使ってもらっています。
『換気扇1個でできるエアサイクル』です。



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by jyu_den | 2011-06-28 03:11 | 私のエアサイクル | Comments(0)

まず素敵な暮らしがあって、そこに寄り添うような心地のいい家を創りたいと思っています。住工房傳(建築設計事務所) 代表 星哲郎のお知らせと思うこと。


by jyu_den
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